新しい本のカタチを考え、提案し、具現化していく
KindleやKoboなどのメジャーなプラットフォームを対象とした商用の電子出版は、国内でも昨年の後半から大きく動きだし、軌道に乗りつつあります。イーブックデザイナー、イーブックデベロッパーの仕事も、大半はプラットフォーム向けの電子化作業です。国内の電子出版市場は、スマートデバイスを中心とした新領域で携帯電話向けの市場を抜き、ターゲットも明確になってきました。長期的には、顧客情報活用による訴求力強化も視野にいれていく必要がありますが、大手のプラットフォーム依存(手数料や電子版の価格操作権等々の問題も含む)では厳しくなるため、コントロール可能なパブリッシャー主導のプラットフォームも平行して走らせることになるでしょう。
さて、ウェブの世界はめまぐるしく変化しており、要素技術の進化だけではなく、ソフトウェアフレームワークなども積極的に導入されるようになってきました。ウェブの技術を採用している電子書籍も無関係ではありません。電子出版のリーディングカンパニーとしても知られているO’Reilly Media(オライリーメディア)は、DocBookをソースにした出版ワークフローから、HTML5ベースの新しいワークフローに移行する準備を進めています。すでに、オライリーのサンダース・クラインフェルド氏がHTMLBookの仕様を公開していますので興味のある方はご覧になってください。ワンソースでイーブックバンドル(EPUB、PDF、Mobi、DAISYなどをセットで提供)を実現しているオライリーの動向には業界の注目が集まっています。
現在、主流になっているプラットフォーム(電子書籍ストア)向けの商業出版は、紙の出版物をいかに効率よく、ある程度の再現性を保ちながら、電子化できるかどうかが問われています。一方で、電子書籍フォーマットの仕様を最大限に生かしたデジタルならではの電子書籍づくりにも動きがみられます。かつて、ネイティブなアプリとして開発されていたアドバンスドイーブックが、HTMLベースでビルドできるようになり、電子出版物のバージョン化が容易になりました。1セットのデータをベースにして、電子書籍の通常版、廉価版、プレミアム版、インタラクティブ版など作成し、電子書籍ストア、アプリストア、登録制ウェブなどで展開することが、以前より低コストで可能になったのです。
電子書籍のライバルは、デバイスのスクリーン上で楽しめる音楽、映像、ゲーム、ソーシャルメディアなど、利用者の可処分時間を奪うあらゆるコンテンツです。「本」という単独のコンテンツをより洗練し、魅力的なものにしていくことが重要ですが、他のコンテンツとの連携や融合といったトランスメディア的アプローチも模索していかないと、電子出版という1ジャンルの中で、限られたパイを取り合うことになりかねません。 今回の総括版では「次の一手」を探るきっかけになるようなテーマを中心に構成しました。
電子書籍の技術:イーブック・テクニカルレビュー
電子書籍の表現:イーブック・デザイン
電子書籍の拡張:アドバンスドイーブック
国内トピック:デバイスで読む漫画の表現
国内トピック:スマートフォンに最適化された漫画
個人出版の実践:ダイレクトパブリッシング
電子書籍プロモーション:オフィシャルサイトの重要性
HTML5と電子出版:電子書籍のハイブリッドアプリ化
HTML5と電子出版:電子書籍のハイブリッドアプリ化
電子書籍の最先端:CSSレイアウトとHTML5パブリッシング
Vol.07 電子書籍プロモーション:オフィシャルサイトの重要性
リリース日:2013年10月28日
順次フルバージョン更新中(2013年11月18日)
Vol.01〜10までのアーカイブを順次、リリースする予定です。古い情報をアップデートしなければいけないため、再演(再操作)することになりましたので、1テーマごとに進めています。まず、「Vol.07 電子書籍プロモーション:オフィシャルサイトの重要性」が準備できましたのでお知らせいたします。ウェブキャストでは2テーマ90分でしたが、新しい情報を追加したことで、アーカイブは1テーマで90分近くになっています。
Vol.07のウェブキャストは、概論と実習に分かれています。まず、電子書籍のプロモーションにはオフィシャルサイト(シングルページ)が重要であることを解説し、APEという電子書籍のプロモーションを紹介しています。後半は実習になっており、プロモーションページを実際に作成するプロセスを解説します。ここでは、オープンソースのコードエディタ「Brackets(ブラケッツ)」とGoogle Chromeを使用していますので、新たにツールを購入する等の準備は必要ありません。
実習では、作業を効率化するためのCSSフレームワーク「Bootstrap 3(ブートストラップ)」を活用していますが、これは、フレームワークがどの程度(プロモーションページ作成に)有効なのか、実際に制作を体験して感じ取ってもらうのが狙いです。Bootstrap 3を習得するための実習ではありませんので、コーディングを極力減らしたテレビクッキング方式(すでに記述されているコードをペーストしながらページを作成していく方法)で進めています。
ウェブキャスト(5時間+質疑応答)の受講料ですが、人数をベースにして価格を調整できますので個別対応で決めています。受講についてはメール[ebookcast@gmail]でお問い合わせください。現在は企業や学校などが対象になっています。時間は90〜120分(テーマによって異なります)で、終了後にアーカイブ(収録ビデオや資料)が提供されます。
※少々高めの金額ですが、半分は技術費用です。教室で講義すれば、5,000円程度になるという(オンライン学習の方が高いという)状況になっていますが、他の配信方法なども考慮し、検討していきたいと思います。
今回のVol.07アーカイブ(90分)の価格です。アーカイブはどなたでも購入できます。購入希望の方は[ebookcast@gmail]までメールをお送りください。メールの表題は「Vol07アーカイブ購入」と記してください。振込先の情報をお知らせいたします(※現在は銀行振込になります)。今回、ストア(DLmarket)での販売は保留中です(セット販売ではかなり割高になってしまうため、ビデオを1本にまとめる等、検討中です)。
現メンバー、ウェブキャストライブを受講された方、有料のニュースレター(メルマガ)を過去に購読されていた方には無料で提供しています。登録に使用したメールアドレスを[ebookcast@gmail]までお送りください(氏名などは必要ありません)。ダウンロード情報をお知らせいたします。メールの表題は「Vol07アーカイブ希望」と記してください。
電子書籍メディア論の第一巻を公開しています
公開日:2013年10月31日
第二巻以降も順次、公開予定
ウェブキャストのアーカイブ「Vol.07 電子書籍プロモーション:オフィシャルサイトの重要性」で使用するレッスンデータ(ZIPファイル/3.8MB)です。ウェブキャストを受講される方、アーカイブを購入された方はこちらからダウンロードしてください。
レッスンフォルダの内容:
[Vol07_02_Lesson]Bootstrapグリッドシステム
[Vol07_03_Lesson]プロモーションページの作成
[Vol07_05_Lesson]試し読み機能の組み込み
電子出版メディア論の第一巻「イントロダクション」の電子書籍(EPUB)をダウンロードできます。ZIP圧縮ファイル(1.6MB)になっています。EPUBファイルを直接ダウンロードしたい方は[EPUB]をクリックしてください。電子書籍をウェブブラウザで読みたい方は下の[ブラウザで読む]ボタンをクリックしてください。ブラウザーは、Google Chromeを推奨しています。
ブラウザEPUBリーダーは「BiB/i(ビビ)」、EPUB 3ファイルの作成は「でんでんコンバーター」を使用しています。
ウェブキャストは現在、企業・学校向けに個別対応で進めています。ライブで実施するオンライン学習とオンデマンドで提供する2つの学習スタイルを用意していますが、2013年にスタートしたばかりで、コンテンツの大半は新規に開発しています。ウェブキャストのアーカイブはコース終了後、ストアなどで販売されます。アーカイブには、スクリーンキャスト(映像)や教材データ、音声データなどが含まれます。尚、ウェブキャストライブを受講された方、有料のニュースレター(メルマガ)を過去に購読されていた方には無料で提供しています(プログラムを参照)。また、アーカイブは、リリース後6ヵ月から1年程度で、販売を終了し、YouTubeなどで公開しますので、誰でも視聴できるようになります。
電子書籍メディア論では、あらゆる人に等しく読書体験をあたえられる本「Universal eBook(ユニバーサル・イーブック)」を実現するための技術(W3Cの標準技術など)や開発・閲覧環境を推奨しており、ウェブキャストで取り上げるテーマにも反映されています。
インストラクショナルデザイナーとして講座企画、IDマネジメント、記事執筆、講演などを中心に活動。2012年5月より、電子出版専門のパブリッシャーとして、電子書籍のプランニング、情報設計、デリバリデザイン等を手掛ける。執筆した書籍は、50冊ほど(海外版、ムックを含む)。
電子出版に関するPodcast「eBook Strategy」を配信しています。また、Facebookで「電子書籍メディア論」を公開中。電子出版に関する講演で使用したスライド資料は「SlideShare」で公開されています。
主な著書に『Adobe Edge Animate スタートガイド ~CreativeCloud対応』(技術評論社)、『HTML+CSSデザイン|基本原則、これだけ。【HTML5 & CSS3対応版】』(共著/MdN)、『Amazon Kindleダイレクト出版 完全ガイド』(共著/インプレス)、『HTML & CSS 逆引き大事典』『速習Webデザイン Flash CS6』(技術評論社)、『現場で役立つCSS3デザインパーツライブラリ』『スマートフォン サイトデザインの基本原則』(共著/MdN)、『InDesign CS6で作るEPUB 3 標準ガイドブック』(共著/翔泳社)、『スマートフォンサイトデザインの基本原則』(共著/MdN)、『EPUB3 スタンダード・デザインガイド』(共著/マイナビ)、『ウェブレイアウトの教科書 PC・スマートフォン・タブレット時代の標準デザイン 』(MdN)、『Webデザイン基礎 改訂3版 (速習Webデザイン) 』(技術評論社)、『電子書籍の作り方』『Webデザイン標準テキスト ―変化に流されない制作コンセプトと基本スタイル』(技術評論社)、『デザイナーなら絶対知っておくべき Webデザイン50の原則』(ソフトバンククリエイティブ)、『速習Webデザイン Flash CS4』(技術評論社)、『Webデザイン&スタイルシート逆引き実践ガイドブック』(ソシム)、『3行レシピブログデザイン』(共著/翔泳社)、『ネタ帳デラックスFlashテクニック』(共著/MdN)『速習Webデザイン Dreamweaver CS3』『速習Webデザイン FlashCS3』(技術評論社)、『Flash逆引きデザイン事典』(共著/翔泳社)、『スタイルシートデザインのネタ帳』(監修/MdN)、『Makinga Rule for Web Design』(ソーテック)、『CSSビジュアルデザイン・メソッド』(毎日コミュニケーションズ)、『XHTMLマークアップ&スタイルシートリフォームデザインガイドブック』(ソシム)、『改訂新版Webデザイン基礎』(技術評論社)など。